東京オリンピック

COVID-19がなければ2020年は東京オリンピックが開催されるはずでした。

2021年になって3か月経ちましたが、COVID-19は世界中で増え続けており、オリンピック開催が危ぶまれています。

史上初めてそして最後になるかもしれない「空手」のオリンピック競技としての採用は、夢と消えてしまうかもしれません。

私はオリンピック競技としての空手に対しては否定的な考えを持っていますが、オリンピック出場を目指して日夜血のにじむような稽古を続けてこられた選手たちのことを思うととても残念です。

 

オリンピックのような”メガイベント”に人が集まれば、感染症が拡大するのは当然です。

ヒトに感染するウイルスは、人と人が接触・密集することで広がっていきます。

オリンピックの開会式で適切な対策をとれば感染のリスクを99%減らせるという報告があるようですが、奇しくもCOVID-19パンデミックによって、疫学や数理モデルの限界が見えてしまいました。

シミュレーションは様々な前提・仮定条件を基に行われますが、人はしばしば非合理的な行動をとる生き物であり、正確な予測は難しいのです。

武術において理論と実践が異なるように、シミュレーションとリアルワールドの間にはまだ大きな乖離があります。

このような予測を根拠に東京オリンピックの開催を決行することは厳に慎むべきです。

オリンピックはIOCのものでも利権をもつメディアのものでも私たち観客のものでもありません。参加するアスリートたちのものです。

東京オリンピック開催の是非は、アスリートたちの健康管理を第一に考えるべき問題です。