運動療法に関する臨床研究は世界中でさかんに行われており、新しいトレーニング法も日々開発されています。
今日はそのうちいくつかをご紹介したいと思います。
まず、Whole-body vibration training(全身振動トレーニング法)。
宇宙飛行士の訓練法として開発され、現在ではアスリートの筋力増強トレーニングとしてまた筋骨格系のリハビリとして注目されています。
いくつかのシステマティックレビューが報告されていますが、高齢の糖尿病患者さんのバランス能力や関節可動性を向上させる(血糖値の改善は限定的?)、閉経後女性の骨密度を改善させる、COPD(慢性閉塞性肺疾患いわゆるタバコ肺)患者さんの身体機能を改善させる(残念ながら呼吸機能は改善しない)ことが分かっています。
患者さんに応用するのは少し難しいかもしれませんが、さまざまな身体機能(心肺機能、パワー、スピード、スタミナ、バランスなど)を向上させるトレーニング法としてクロスフィットがあります。
健康効果は明らかではありませんが、ひとつの競技スポーツとして世界に広がっており、参加者のウェルネスを高めることが分かっています。
これからも新しいトレーニング法が考案されていくと思います。
次世代のトレーニング法は恐らくVR(仮想現実)・AR(拡張現実)を利用したものになるでしょう。
いろいろなトレーニング法のエビデンスをよく吟味して当協会の運動プログラムに取り入れていきたいと考えています。