運動療法において有酸素運動と筋力トレーニングは”車の両輪”のようなものです。
どちらか一方であっても一定の効果がありますが、二つを並行して行うことで相乗的に良い効果が得られます。
ランニングやサイクリングなどの有酸素運動だけが優先されがちですが、筋力トレーニングにもっと注目してもらいたい。
人間は20代以降、0.5-1.0%/年ずつ筋肉が衰えていくと言われています。
個人差はありますが、日常生活動作のみでは筋肉の衰えを防ぐことはできません。
筋力トレーニングは筋肉量・筋力をアップさせるためだけのものではありません。
若いころの筋肉の質を保ち、中年期以降も生き生きとした日々を送るために、欠かせないものなのです。
特に、日本の若い女性にはビタミンD不足やタンパク質摂取不足が多く、年を重ねてからの急な体力の衰えや骨粗しょう症の原因になっています。
スマートで華奢な女性は美しいですが、筋肉量が少なくて脂肪肝が隠れているという方もいらっしゃいます。
若い頃からちょっとした筋力トレーニングを開始し、続けましょう。
重いバーベルを持ち上げたり担いだりしてトレーニングを行う必要はありません。
自分の体重を上手に使って、(筋肉の量・質を保つために)十分な負荷を作ることができます。
高齢の方や病気がある人は「ゆっくり筋トレ」をお勧めします。
それから、筋力トレーニング後の栄養摂取も大切です。
精製されたプロテインを毎回摂取する必要はありません。コップ一杯の牛乳などで良いですが、最近のシステマティックレビューによると、HMB(β–ヒドロキシβメチルブチレート)というサプリメントが筋トレ後の筋肉の回復に有効なようです。