運動療法のかたち

"Exercise is Medicine"

アメリカスポーツ医学会は、医者とその他の医療従事者がエビデンスに基づいた運動プログラムを様々な病気で悩む患者さんの治療の中に組み込むことを提唱しています。

私が専門とする糖尿病においても運動療法は食事療法と並んで治療の二本柱ですが、どういうわけか運動療法はあまり浸透していません。

 

患者さんがやる気になって運動を定期的に行わなければ治療にならないから?(確かにその通り)

運動療法の効果が不十分だから?(それは誤解です)

そもそも医者が運動療法についてきちんと理解していないから?(…熱心な医者は多くない)

 

患者さんが運動療法に継続して取り組み、彼らの健康をサポートするためにはどうすればよいのか?

私は医者をやりながら武術の指導をしていますが、道場生との身体的コミュニケーションを通して感得したことがあります。

 

指導者が確かな知識・技術と情熱をもって接しなければ、道場生は上達しない。

 

これはそのまま運動療法の指導にも当てはまるのではないでしょうか。

”医者が確かな知識・技術と情熱をもって接しなければ、患者さんは健康にならない。”

 

従来の運動療法は、健康運動指導士やスポーツトレーナーなどの専門職の方々が1対複数の指導形式で行われるものでした。

当協会が目指すのは、従来の運動療法の指導形式を踏まえながらも、病気に関する確かな知識をもった医者が一緒になって実践する形式です。

運動療法の最適なかたちとは何か、未だ分かりませんが、インターネットや各メディアも利用しながらたくさんの人が運動療法の恩恵を受けられるように取り組んでいきたいと思います。